
最近、世の中はAIを使った自動化などの話題が
多いなか、今日は敢えて「あの路面店」…。
皆さんの街にもある「ワークマン」について、
お話ししたいと思います。
一時期、アウトドアやおしゃれ路線で大ブーム!
その後、少し業績が伸び悩んだというニュースを
ご記憶の方もいるかもしれません。
しかし今、見事に業績を復活させてています。
なぜなら、「おしゃれ」という流行のフロービジネスから、
「作業着やプロ向けの用具を売る店」
という本来の強みに軸足を戻したからです。
なかには、機能性素材を利用して「疲労回復」をうたった
『メディヒール』というプライベートブランドがヒットした
から、業績が伸びたという考え方もあるかもしれませんが、
その効果は副次的でしょう。
実は、ストックビジネスを構築する上で、ワークマンの構造
には凄まじいヒントが隠されています。
同社は通販もやっていますが、それが売上の主軸になっている
わけではありません。
もちろん、毎月の定期引き落としの仕組みもありません。
それなのに、なぜこれほど安定的に業績を伸ばし続けられるのか?
答えはシンプルです。
彼らが、社会の「インフラ」そのものを握っているからです。
■ 「もし、うちが店を閉めたら社会が止まる」
~コロナ禍、実際に起こったこと~
数年前、コロナ禍で世界中がパニックになり、
街から人影が消えたときのことです。
多くの小売店が
「店を閉めるべきか、開けるべきか」
という過酷な決断を迫られていました。
ワークマンの経営陣も、当然激しく悩んだといいます。
しかし、彼らが行き着いたのは、ある圧倒的な「事実」でした。
「もし、いま店を閉めてしまったら、誰が困るのか?」
それは、コロナ禍であっても絶対に休むことができない、
電力やガスのインフラを守る人たち。
そして、地域の工事や修理・メンテナンスといった、
社会の土台を支えているプロの職人たちでした。
彼らが動けなくなったら、社会が止まってしまう。
「だから、私たちは店を開け続けるんだ」
彼らが店を開けたのは、目先の売上のためではありません。
自分たちの立ち位置が、社会を支える人たちにとっての
「なくてはならないインフラ(駆け込み寺)」
であるという強い覚悟があったからです。
当然、危機の時にも現場を支え続けてくれたワークマンに対して、
プロの顧客たちが抱いた「信頼」は、他社が絶対に真似できない
強固な資産(ストック)になりました。
(※ちなみに、おしゃれ路線に変更したことで、一般客が増え
てしまい駐車場が空いてない…という問題が起きてしまいました。
軸足を戻したことで、これも解消へ向かいました)
流行りに乗ったサブスクは数年で消えますが、
人間の暮らしの根底にある
「安定需要(インフラ)」と結びついたビジネスは、
時代が変わっても絶対に揺らぎません。
■ 最初は、目の前の「フロー」でいい
これからのAI時代、ネット上の綺麗な仕組みやアイデアは
一瞬で真似されます。
しかし、「あの時、助けてくれた」
「あそこに行けば、今すぐ解決する」という、生身の信頼と
インフラの立ち位置だけは、AIには絶対にリプレイスできません。
ストックビジネスを作りたいからといって、
最初から立派な「月額課金のシステム」を作る必要なんてありません。
そんなのはただの飾りです。
最初は、目の前の困りごとを解決する、単発の「フロー」の
仕事でいいのです。
大切なのは、そのフローの仕事を通じて、お客様にとっての
「なくてはならないインフラ」
になれているかどうか。
今回は、AI隆盛時代に、あえて路面店というアナログな
ビジネスに着目した事例を紹介しました。
派手な仕組みを
ゼロから探す前に、
まずはあなたの今の仕事の中にある
「インフラの芽(=ストックの種)」
を、ぜひ見つけてみてください。




